小田急線が難しい

三月に仕事を辞めてから電車にあまり乗らなくなった。
いや、普通の状態なら「よっしゃー解放されたー出掛けるぜー!」ってなって毎日のように遊びに行ったかもしれないけど、この世の中の状態である、全く外に出なかった。
それでも先月、どうしても行かなくてはならないところがあってひっさしぶりに電車に乗った。
少しずつ間をあけて電車に乗る人たち、え、私はどこに立てばいいの?隣には座らない方がいいの?電車乗るのってこんな難しかったっけ??状態である。
きっと仕事とかでどうしても外出しなくてはいけない人もいるだろうから、私のような大して用事もない上にやることもない人間はやっぱり家に引きこもってるべきなんだなと実感した。
ものすんごい心配性なので、増え続けてる人数にただただ怯えている。なんとかして。怖いから。

で、電車に乗って思い出したことがある。
社会人一年目も終わろうとするとき、同期のお姉さんと一緒に仕事の用事で出掛けなくてはならないことがあった。
行き先は相武台前駅
なんと私は生まれてから一度も小田急線に乗ったことがなかったのだ。
なぜか。
小田急線がいやなわけでも避けてたわけでもない。
ただ、生活圏内じゃなかっただけ。
普段JRと私鉄に乗ってればどこにでも行けるし、そうなると友達も割とその沿線沿いなことも多くて、乗ったことないどころかなんなら存在すら危うかった気がする。
ごめんね小田急線。
ちなみに同期のお姉さんも群馬から大学進学と共に上京してきた人で、普段東急を使っていたから小田急線は乗ったことないと言っていた。
つまり、二人とも初めての小田急線だった。
そんな私たちはJRに乗って町田に向かい、そこで小田急線に乗り換えた。
実は私人生初の町田でした。後にも先にもその一回しか降り立ったことないわ。
で、問題なのはその乗り換えだった。
私たちはなにも知らなかった。
今だったらYahoo!乗換案内でピッとしてパッと行けるけど、あの頃はまだスマホじゃなくてガラケーだったから、事前に調べたメモとか持って行っていたような。
町田の小田急線のホームに降り立って、なんか一本前の電車乗れるね~早く着いちゃうね~なんて言って、来た電車に乗って。
ずんずん遠ざかっていく町田、そして相武台前駅
知らないじゃん、江の島線なんてものがあるなんて。
絶対表示されてたし、絶対アナウンスされてたし、絶対路線図も貼ってあったのに見なかった私たちが悪いんだけど。
町田からすぐ着くはずなのに全然着かなくて、大和あたりで気がついて転がるように降りて反対方面に乗って、まぁなんとかたどり着いたし間に合ったんだけど、ああいうときって「ギャー!!」というより「あれ…あれ?なんか違う…いや合ってる?気のせいだよね?…え、大丈夫だよね?」ってなんとか大丈夫な方に持っていこうとするよね。
全然大丈夫じゃないから。
早く降りて。
ていうかよく見て、聞いて、調べて。
自分だけの用事とか、百歩譲って友達との約束ならまだしも、仕事の用事で間違えるとか遅れそうだなんて、冷や汗半端ないって。
当時勤めていたのは私立幼稚園だったんだけど、まぁ言うなれば先輩が本当に文字通り死ぬほど怖くてヤバかったのね。
その日は同期と二人きりだったけどもし万が一時間に遅れて「遅れたのよね」ってことが先輩たちの耳に入ったらもうまじで命が危なかったから、間に合って本当に本当によかった。
いくら間に合ったからって、電車間違えただなんて知られたら、「注意力がない、ということはやる気がない」とこてんぱんに叱られるのが目に見えていたので、このことは同期との秘密にしたんだけど、もう10年以上前のことだし時効だろということで。

で、それから数年後、当時通っていたネイルサロンが小田急線沿いにあるからって理由で月一で小田急線に乗ってたんだけど、あの頃感じた恐怖はもうなくて、普通にいい電車だね!となった。
でも気を付ける、いろんな方面に行くから、路線図しっかり見て乗るね。